20180218都市湯治@最願寺

【2018年2月18日(日)都市湯治】当日のレポート

2018年2月18日(日)に、都市湯治のイベントを開催しました。
その様子をレポートいたします!

 

10:00 開場

私達スタッフが会場入りしたのは9:30。到着すると、住職さんがお寺の入り口にポスターを掲示してくださっていました!
まちを歩いてもらうのも都市湯治の楽しみ方の一つ。天気も良く、気温もちょうどいい湯治日和となりました!

 

会場です。完成して半年のこちらの建物、最願寺の住職さんが「お寺をもっと開かれた場所にしたい」と願い、つくりました。この建物、信じられないくらい静かなんですよね。生活していると何かしらの音って耳に入ってくるもの、それがこの空間には何もないんです。極端に言えば、音がなくても無音音みたいな、あるじゃないですか。それすらもないですね。

 

キッチンとカウンター、コンロ、シンク、冷蔵庫を完備し、

 

靴を脱いであがる畳の部屋。机を用意できますので、こちらで日々の出来事を書き留めているかたもいらっしゃいました。(事前の下見で撮影したものです)

 

さらには薪ストーブまで完備。ストーブの上にアルミホイルを敷けば焼き芋までできる!! なんと男のロマンが詰まった部屋なんだ!! ストーブの前で編み物をしたら女のロマン(?)も叶えられる!

 

会場内では机を並べ、参加者同士の会話が弾んでいました。
今回は他の参加者のことを誰も知らないという人は1〜2人だったので「あああの時の、ご無沙汰してます!」というように、わりとスムーズ会話が始まっていたように思います。もちろん、一人で初参加という方は私、女将、大女将が馴染めるようにサポートしますのでご安心を! 常時会場では2〜3人で、こんな和やかな時間が流れていました。もちろん一人の時間を楽しむことも湯治の醍醐味ですし、奥の畳で座布団を並べて横になったりしても全然OKです!

 

境内には梅が綺麗に咲いていました。どうですか、普段道を歩いていて、まじまじと梅の花を見る時間はありますか? こういう些細な時間を都市湯治では大事にしていただきたいなと思います! この写真は個人的に、今回のベストショットです! 写真コンテストみたいなことも、今後検討したいと思っています。

 

鳥が餌を食べにきている様子を、ベンチに座ってぼけーっと眺める……今回の都市湯治のなかでも最も湯治的な時間だなぁと感じました。オススメです! この時期はスズメ以外にもメジロがやってきてました。日差しが暖かく、風は涼しく、鳥の種類も豊富。春の景色ですね。

 

12:00 住職さんの説法

12:00〜の説法の様子。仏教における命の考え方をお話しいただきました。
そのなかで「生まれてから死ぬまでとはどういう期間か」というお話をいただきました。オギャーと私達は産まれます。それが「生まれる」ということなのは間違いありませんね。その生まれる前には父と母がいて、その二人にはさらに二人の父と母その上にはさらに父と母………そのうちの一人がかけたら自分はいない。命の連続があって自分がある。ご先祖様に生かせてもらっていることを感謝しないといけない。そして自分が死んでも子供達、そして関わった人々に命の連続が引き継がれていく。そのように大きく自分の存在を考えると、必ず訪れる死を嘆くという感覚が薄れるような気がしますね。日本人って宗教をあんまりいいイメージで捉えないですけど、ただひたすらに信心深くあるのではなく、学びのきっかけの一つとして宗教の考え方に耳を傾けるのは大事なことなのかもしれないと思いました。

この都市湯治、「湯治」という言葉がつく以上、温泉が主に思いがちかもしれませんが、一番大事なのはこの説法だったのかなと。今回の都市湯治のなかでも、自分自身を見つめなおす大きなきっかけになったように思います。次回以降はスケジュールを調整して、2〜3回、時間を取っても良さそうな気がしますね。(18:00に予定していた説法は都合により中止となりました。)

 

お話に加えて、超貴重なお香のにおいを体験させていただきました。化学成分非含有、香木を使用した超高級品だそうです。お香をあげるのは私たちにとって儀礼で、やらなきゃいけないことですよね。その種類だったり原料を知る機会なんて、日頃ないと思います。これもまた貴重な体験でしたね!

 

13:00 開店前の銭湯見学

13:00からは近隣の銭湯の開店前見学にうかがいました。冨士の湯さん、開店前の忙しい時間にありがとうございました!
冨士の湯さんの詳細はこちらの記事でご覧ください↓ 取材させていただきました!
https://www.travel.co.jp/guide/article/31230/
【店内の様子は許可を得て撮影しております。営業中の撮影は厳禁です】

 

このイベントの最大の魅力は、営業中はできない浴室の写真が撮れることです。私からの説明は簡単に、みなさん貴重な時間を撮影に充てていました。

 

最後には店主さんに質問する時間をとることができました。なかなか銭湯の店主と面と向かって質問する機会もないと思います。風呂にはいりに行ったときに必ず店主さんが座っているわけではないですし、仕事中に長話、というのも気が引けますよね。銭湯見学は会場の場所にもよりますが、継続していきたいと考えております! 見学後は散歩に出かける人、冨士の湯の開店を待つ人、会場に戻る人と自由に行動しました。

 

湯治は基本的に個人行動です。でも友達を作りたい人もいます。15:00にはそんなかた達を募って、私と3人の参加者で近隣の銭湯「矢向湯」に行きました。初対面でも裸になれば、なんだか距離がなくなるもの。銭湯という場所を活用し、ぜひ友達を増やしていただきたい!
都市湯治の内容でも書いた通り、銭湯は非日常空間であることに加え、湯船に入ると血圧が徐々に低下して思考力が下がります。
その状態で何かを考える…意識しないと難しいことです。そのきっかけになるのが視界に飛び込んでくる銭湯の風景なんです。
例えば富士の湯で言うと、サウナ後の水風呂で頭空っぽの状態。そこで正面を見ると、黒湯に浸かりながら背景画の蓬莱島を眺める人。あの人の故郷は石川県なんだろうか?そういえば自分の故郷にも島があって、小さい頃に遊んだ。あの頃の気持ちはこうだった、ああだった…それに対して今の自分はどうだろう………こんなふうに自身と対話をするきっかけにしてもらいたい。それが都市湯治におけるお風呂屋さんの役割です。

 

18:00 懇親会

16:00に会場に戻ると、懇親会に参加するかたが少しずつ集まり始め、17:30頃からいる人達でぼちぼち懇親会を始め、どんどん参加者は増え…
最終的に11名、途中で帰ったかたも含めると、このイベント全体では15名の参加となりました!
テーブルのうえの食事は参加者が持ち込んだ食品。こちらからは白米、炊き込みご飯、味噌汁、お漬物を提供させていただきました。
持込いただいたものの一例としては、唐揚げ串、ゲソ唐揚げ、玉こんにゃく、たこ焼き、金柑、お刺身、チーズ類(特に多かったです!)、押し寿司、かまぼこ……多岐にわたりました!

 

自己紹介の時間もとり、参加者同士のコミュニケーションも盛り上がり…17:30から始まった懇親会はあっというまに22:00。
自分を振り返るには、他人の人生を知ることが一番手っ取り早いと思うんですよね。比べられますから。しかも対面して話すと、偉人の伝記を読んでいるのと違って熱量があり、気になったことを質問できます。他愛のない話であっても、日常を変えうる気づきはたくさん転がっている、そんな意図を持って懇親していただけたらと思います!

反省点は多々ありますが、総じていい会だったように思います。ただ、私が考える湯治の域に達するには、まだまだ足りないという思いでもあります。
よりみなさんの日常が、いい方向に変わるきっかけを拾ってもらえるような、そんな時間を提供できるよう、精進してまいります!
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

 

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