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第2回、新・湯治セミナーに行って感じた、避けては通れない経営のこと

環境省主導で新しい温泉地の滞在について考える「チーム 新・湯治」のセミナーに参加してきました。第2回のテーマは「温泉地をリフレッシュできる環境に再生する」です。今回の記事は後編になります。

前回の記事はこちら↓

 日々湯治 
日々湯治
http://furoducer.net/20190125shintoji/
風呂デューサーオフィシャルサイト

前回は阿寒湖温泉のまちづくり、とくに財源確保の部分で入湯税の超過課税について書かせていただきました。今回は福島県、東山温泉に宿を持つ、くつろぎ宿のかたのお話です。

 

東山温泉


▲チェックインの時間が遅く、朝散策するだけになってしまいました。お祭りやってました▲

東山温泉は福島県の西部にある温泉地。会津若松の奥座敷です。
5~6年前に訪れたときの印象は、渓谷の静かな温泉地で、会津若松の夜景がきれいなところといった感じでしょうか。ドカーンとコレ! というものがあるわけではなく、とにかく静か。のんびりするには最適なところだと思います。

▲有形登録文化財の向瀧は結構有名です▲

私のなかで、東山温泉といえばこちら、向瀧。立派な外観を写真に収めただけになってしまいました。いずれ泊まりに来たい温泉宿です。

 

3旅館同時経営……!?

さて、今回のお話に話を戻しましょう。
配られたパンフレットを見るとまず目に行く「3旅館一体同時再生」の文字。私は経営の考え方が全然身についていないのですが、それでもわかります。とんでもないことだぞと…! その3旅館とは千代滝、新瀧夢千年、不動滝旅館で、現在は千代滝と後者の2つを統合した新滝の二つを営業しているそうです。

こちらがくつろぎ宿のサイトです↓

そしてパンフレットには「統合することによって経営資源を集中し、一体再生を図る」とのこと。うーん、1軒だけやるよりも楽になるのか…それすらも全然わからない…!

 

地域の合意が取れないとき

今回のお話のテーマは掘り下げた経営のことではなく「温泉地にある古い家を取り壊した」という話です(写真はイメージ)。昔ながらの温泉地にいくと、廃業して放置されたままの廃ホテル、廃旅館、廃屋を見かけたりします。取り壊せない事情があるんだろうとはいえ、見ていて気持ちいいものではないですよね。

くつろぎ宿では、みなさんがイメージしたような廃屋が一部の部屋の窓からどーんと視界に入ってしまっていました。泊まる側からしたらつらいことなので、お部屋に詫び状を置いたりもしたそうです。また町としても、家の破片が道路に落ちたり、交通に支障をきたすところまで来ていた。そこで会津若松市、観光協会、くつろぎ宿と、行政を交えたうえで、所有者と話し合いをおこない、解体撤去にこぎつけました。

こういった建物、本来であれば地域で合意を得て、地域のお金で解体撤去するものかと思います。前編に書いた阿寒湖温泉では、総意を得て入湯税の超過課税にこぎつけましたが、総意を得ることは超が付くほど難しいことなんです。そうであってもなんとかして、お客さんのために撤去したい、いや必要なことだと判断し、撤去費用をくつろぎ宿で負担したのだそう。もちろん、うん百万円じゃ利かない額ですよ。

しかしお話いただいたかたは「撤去した跡地には植樹、ライトアップをおこなうことで、客室の単価が上がる」と語り、まるで嫌な思いをしている印象を受けませんでした。「ホントなら地域のお金で何とかしたかった…」みたいな感情はゼロ。地域にとって、お客さんにとって、宿にとってプラス。これが超経営者の発想…!

 

お客さんに来てほしいから単価をあげる

お話を聞くなかで強調されていたのが「お客さんを呼ぶために、単価を上げる」ということです。もちろんそんな単純なことではなくて、価格に見合ったサービスをする前提での話です。

なるほどなと思った話がありました。東山温泉は一泊宴会型の旅行客で大変賑わっていた時期がありました。そのブームが過ぎてからも、団体客獲得のためにこぞって料金を下げて、お客さんを呼びこもうとしたのだそう。すると温泉地内で価格競争となり、どんどん収益が薄くなっていきました。結果宿の廃業、頑張っても収益が出ない、つらい…

現在の旅行動機、「自分へのご褒美」という感覚が強いと思うんですよね。その人が満足するようなプランであれば、ある程度の高単価でも選ぶんです。逆に横並びで同じものばっかりだとどこ選べばいいのかわからない! めんどくさい! よその温泉地でいいか! 温泉地そのものに人が来なくなるわけです。

単価をあげてサービスを充実、差別化する。各旅館に個性が出る。選んで満足する。結果地域が賑わう。宿では利益が出て安心する←これ重要 。お客さんが満足する=苦情が減り、喜びの声が届いてスタッフのやる気もあがる。雰囲気がよくなり、ますますお客さんを呼べる。

確かに低単価ではこうはならない気がします。おそらくこれがうまく機能すると、まちの廃屋を壊す合意も取りやすくなりそうな気がしますね。これが好循環というやつ…!

終わりに お金への意識が重要


私は都市湯治というイベントを企画しています。温泉地と同じようにイベントの運営であっても、どうしてもお金がかかります。それをまかなうために参加費をいただくわけですが(多分まかなうって発想をしている時点でダメ)、どうしても安くしたいと思ってしまうんですよね。

単価を上げるのはなかなか実行できないものです。誰も来てくれないのでは? コスパを考えたら満足してくれないのでは? 自分の取り分が減る… 自分のフィールド、提案できることをきちんと認識し、なにより来てほしいお客さん像を想定して、そのかたが満足してくれるような内容をつくることが大事なのかなと思います。

お金をもらう以上、責任をもって価格以上の価値を提供しなければならないですよね。いつも通りの流れで。これが敵なのかなーと私個人としては思いました。

 

次回の新・湯治セミナー

2019年3月6日(水)に開催されます! 詳しくはこちら↓

湯治というキーワードにビビッときたかた、参加を検討してみてはいかがでしょうか?

 

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