イベント参加

【第4回 新・湯治セミナー】待ってたよ! 温泉利用に関する効果測定結果発表!

環境省主導で温泉地の新しい在り方を考える「新・湯治セミナー」に行ってきました!
(サムネイル画像は第二回のものです…写真を撮り忘れました…)

私自身新しい湯治のかたちとして「都市湯治」を企画している関係で、「そもそも湯治とはなんなのか」と考えない日はありません。今回はそんな深みにはまってしまった人が待ちに待っていた、全国「新・湯治」効果測定調査が発表され、今までなんとなく温泉はいい、としか言えなかったことが、根拠を示したうえで言えるようになるのです!!! 湯治はなんなのか、という疑問の一つの回答になりえる…期待して行ってまいりました!!

 

調査概要

まず今回の調査の概要です。

参加温泉地:全国20か所(調査協力を自発的に申し出てくれたところ)
回答数:3906人(男女半々、年齢は58.3±15.7)
アンケート記入方法:アンケートを店頭、客室に置いたり、対面で手渡しなど。
アンケートに加え、10の施設でヒアリングを実施。

質問項目については不明です。いままで各地域でこういったアンケート調査はあったようですが、全国で統一して情報を集めたのは今回が初なのです。

 

ビビッときた結果

3点ご紹介します。

①具体的な目的を持って温泉を利用していない

2つの設問について考察がありました。

1.旅行の目的
温泉にはいる…62.9%
観光…11.1%
宿泊施設…6.2%

2.温泉の利用目的
温泉が好きだから…67.1%
リフレッシュ…46.0%
疲労回復…38.6%
痛みの改善…29.2%

こんな数字が出ています。温泉地の、温泉を持っている施設で聞いているので当たり前っちゃ当たり前ですけども…

考察として、具体的な目的をもって温泉を利用しているわけではなく、はいることそのものを目的に温泉に来ているとのことでした。疲労回復や痛みの改善という、昔ながらの湯治的な利用をしている人って割といるんですね。御歳召したかたの回答が多かったのだろうと想像できますが、こうしてみると湯治の考え方はまだまだ根付いているんだなと思います。

 

②アクティビティを組み合わせるとより心身にいい変化が見られた

「周辺観光や食べ歩き、買い物など、歩行またはそれと同等以上の活動」をした人は
睡眠がよく取れた(取れそうになった(?))…82.5%
ストレスが少なくなった…86.4%
疲労が少なくなった…86.5%
痛みが少なくなった…77.7%

「息が弾み汗をかく程度の運動(ゴルフ、スキー、登山など)」
より幸せを感じるようになった…89.2%
痛みが少なくなった…82.2%
憂鬱な気分が少なくなった…81.6%

温泉にこういったアクティビティを合わせることでより効果が高まるようです。どちらも手軽で、どこの温泉地でもできることですよね。温泉地でマップをつくったり、インスタグラムで街の様子を紹介したり…アクティビティとして意味のあることなんです。

そしてアクティビティは無限に種類があります。宿を新しくすることは難しくても、お客さんにハマるアクティビティを選ぶことはできます。今後様々なアクティビティ付きのプランが出てくるかもしれません! 都市湯治でも住職さんの説法などのアクティビティを用意しています。あくまで思考するためのきっかけ、という位置づけなので重要視はしていませんでしたが、もっと重きをおいてもいいのかな。

そしてあらためて見ると、温泉と合わせたからこの結果なのか、温泉のない旅行先で同じことをしても同じ効果が出るのかってところまで知りたいところですね。

③長期間滞在もいいし、短期間でも効果はある

©大分県観光情報公式サイト

宿泊日数別の結果にも考察がありました。

より健康になったと思う
日帰り…83.0%
3泊以上…83.6%

憂鬱な気分が少なくなった
日帰り…78.6%
3泊以上…71.5%

むくみが少なくなった
日帰り…61.0%
3泊以上…53.2%

日帰りであっても3泊以上と同等、もしくはそれ以上に効果が出ている項目がありました。長期滞在したほうが効果あると思っている私としては、日帰りのかたのほうが単発の入浴の効果を感じやすいのかな、なんて思いました。特にむくみは日帰りであっても水圧で改善されそうな気がしますし、逆に連泊すると初日のむくみ具合を忘れて、最終的にむくみが少なくなったと感じにくくなっている節もあると思います。また、単純に3泊以上のアンケートの数が少なかったのでは? ということも考えられます。

ただ重要なのは、日帰りでも意味がある、と言える結果が出たこと。宿泊の絡まない都市湯治においては非常に重要なことです。

 

やはり意識づけが重要

みなさんはどんな気持ちで温泉に行きますか? 当然人それぞれで違う答えになるでしょう。
従来の湯治でいえば「慢性的な痛みを抑えたい」という意識で温泉に行っています。そして温熱効果や転地効果、薬理効果で成果をあげてきました。そういう意識づけがなされました。バブル期には「みんなで楽しみたい」という意識で温泉に行っています。宴会、お風呂を楽しみ、満足しました。そういう意識付けがなされ、温泉は楽しいものと認識されました。

今回の調査は、実際の効果というよりも「温泉はこうだよね」というみなさんの意識が反映されたと私は捉えています。

 

十人十色の湯治スタイルをどんどん発信していこう!


都市湯治の場合は「ぼんやりした不安を解消したい」という意識で来てもらいたいです。そのためには不安を解消できるんだという参加者の期待、成果を出すために事前の意識づけ(説明)、アクティビティの設定が必要で、それが積み重なって意識になり、効果が出てくるのでしょう。とにかく、私達がどういう目的で温泉地に行くのか、それを明確にするための手伝いを温泉地や、情報を発信する私達がすべきことなのです。

現在湯治の明確な定義づけがぼやけつつあります(悪い意味ではなく)。だからこそあなたが効果を実感している湯治は、どんな方法であれ、間違いなく意識づけされた効果のある湯治です。ぜひ楽しんで温泉滞在し、その滞在方法を広めてください! それを見た宿のかたが「こういう滞在もあるんだな」と気づき、実践することで新たな湯治文化となって、これから先も湯治が受け継がれていく、私は今回の結果を聞いてそう思いました!

次回の新・湯治セミナーは7月、伊豆の修善寺での開催となります。今後は各温泉地でも開催し、現場を見ることも増やしていくそうですよ! 情報はこちらで新・湯治チーム員に加入してチェックしてください↓

 

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