フィンランドといえばサウナ。もはやサウナは世界で一番有名なフィンランド語といっても過言ではありません。ただ、日本のサウナはフィンランド風というか、日本独自の進化を果たした感じがしませんか? 本場フィンランドのサウナを体感するにはどうすればよいのでしょう…
じつはフィンランドの大使館では、職員用サウナと大使(たいし)用サウナがあり、仕事終わりに利用したりするらしいのです。そのサウナ、長期間改修工事をしていたのですが、2019年4月24日(水)、プレス向けに完成したサウナが公開されました! 各国の大使館がひしめく南麻布へ行って来ましたよ!! そして…このサウナにはいる方法もじつはあるんです!
フィンランドの観光を盛り上げたい…サウナ!
付随設備からの脱却
銭湯で働く私としては、どうしてもサウナは「付随設備」であり、あっても湯船であったまるからいいや、という感じです。しかし店番しているとサウナありますか? と聞かれることは頻繁にありますし「え? サウナないの!?」という、風呂屋にはサウナがあって当然、という体でいらっしゃるお客さんも増えた感じがします。サウナニーズが高まる昨今、フィンランドが国として動き出しました。
オーロラムーミンサンタクロース
フィンランド観光といえば何かという問いに対して、ラップランドのオーロラ、ナーンタリ、タンペレのムーミン、ロヴァニエミのサンタクロース。この三本柱に加え、イッタラやマリメッコといったデザインが回答の多くを占めているようです。ここからもっと観光客を呼ぶにはどうすればよいかと考えたところ、ここ2~3年でサウナの人気が爆発しているではないか! ということで、観光の目玉としてサウナを押し出していきたいのだそう。
聖地フィンランドではだいぶぶっ飛んだサウナも
日本ではサウナ人気が高まっているのですが、本場フィンランドは高まるもなにもなく、生活の一部となっています。ロープウェイのゴンドラがサウナ、湖の沖で360度ダイブ可能なサウナボート、バス(車のほうね)を改造したサウナバスなど、ちょっとぶっ飛んだサウナが開発されているようです。そんな聖地でひたすらサウナをまわるツアーなんかも企画されたのだそうで。
フィンランド大使館サウナクラブ、発足!
大使たちのサウナ愛
4月24日のプレス向け公開イベントでは大使館の偉いかたからスピーチをいただきました。ざっくりとご紹介しますね。
ペッカ・オルパナ駐日フィンランド大使
フィンランドは人口560万人、それに対してサウナは300万人と、国内にある車の台数より多いといわれています。まさにフィンランド人のアイデンティティといっても過言ではありません。学校や会社、国会にまでもサウナはあり、外交の一部としても機能してきました。湯気に包まれて話すことでユニークなアイディアがうまれ、裸であるため平等感があるのです。このサウナ外交を日本の大使館でも実施したい。そのため大使館のサウナを改装し、今後日本の様々な分野で活躍されているかたを招き、サウナ外交を行っていきたいです。
マルクス・コッコ報道・文化担当参事官
Relax. Be quiet or social. No rule, no watch. Enjoy.
リラックスし、静かに、もしくは社交的に楽しむ。決まりはなく、時間も気にしない。自分のペースで楽しむことが大事。サウナで温め、クールダウンしリラックスする。この一連がサウナです。夏は湖で冷水浴、冬は雪の上で転がる。フィンランドスタイルです。自分好みのサウナを楽しんでください。
日本人のサウナよりも、自然。
フィンランドにおいてサウナはもっとアウトドア寄りで、どちらかというとキャンプでやるイベントの一つのような印象です。日本の清潔を保つためのお風呂とは普及の背景が違うなぁ…
そのへんは日本のサウナに入っていてもなかなか感じられないもの。フィンランド大使館サウナクラブには、そんな本場フィンランドの精神性も体験できそうな気がします。
大使館のサウナはちゃんとフィンランド式でした
さて、気になる大使館のサウナをご紹介いたします!
大使用サウナ
こちらが大使用サウナ。キャパは6人くらいでしょうか。間接照明がどことなく瞑想的、土地柄静かな場所なんですが、一層静けさを感じるようです。両サイドの壁面が椅子になっていますね。
きっとサウナ外交においては左サイドにフィンランド、右サイドには相手国、みたいな使い方はせず、垣根を超えたような座り方をするのがフィンランド流なのかな、なんて感じました。ちなみに、在日フィンランド大使専用サウナではなく、アンバサダー達が入るサウナ、来客用というイメージだそうです。
中央奥にはサウナストーンが鎮座。もちろんロウリュ可能です。サウナストーンに水をかけたときの熱気…本当にフィンランドを思い出しました!
もちろんサウナだけではありません。シャワールームもありますよ。シンプルなタイル使いにガラス仕切り…この静寂感は都会の雰囲気ではない。アウトドア感がにじんでいる!
フィンランドサウナはこの二つがあるだけでは成り立ちません。もちろん休憩するラウンジも充実しています。椅子に着席したとき、それぞれの距離感がなんかいいなと思いました。家具はフィンランドのArtek社製。そのへんも徹底しています。
暖炉もあるよ! サウナで温まってラウンジで冷ますんだから、いらなくない? というのはアジア人的発想なのかもしれませんね。暖炉があることによる木材の香りとか湿度の調整とか、空気感を作り出すのに必要なんじゃないでしょうか。
バルコニーまであります。きっと本場フィンランドのサウナに触れて生まれ育ったかたにとって、この景観はさぞ物足りないことでしょう…それを補うかのように、フィンランドの家具ブランドEcoFURNのエコチェアとオットマン。木製にもかかわらず、フィット感がハンパじゃないらしいです。
職員用サウナ
こちらは職員用サウナ。L字型に椅子が並び、大使用サウナよりわいわいとはいっているイメージができますね。職員用ということで、週に一回、男女交代でりようしているのだそう。
ちなみに、フィンランドのサウナは写真のように、サウナ室とシャワールームの扉の下に隙間が空いているんです。換気のためなんですかね? これでサウナ室の温度が下がるので、自然とお客さんがロウリュをして温度を高めるわけです。その時に「水かけていい?」「いいよ」というコミュニケーションにつながっていきます。
大使用サウナはシンプルながらオシャレ、フィンランドサウナの真髄が詰め込まれている感じでした。いっぽうで職員用サウナは田舎のサウナという感じで、親しみがある雰囲気ですね。特にこの脱衣場。クーシャルヴィのサウナに行ったときこんな感じでしたね~。
脱衣所にはいかにもフィンランド柄なタオルが積まれています。
どうしたらはいれるの?
フィンランド大使館のサウナはいきなり行って入れてください! と言ってもはいれません。事前に連絡してもはいれません。どうしたらいいの…?
サウナ…イルタ…?
フィンランド大使館では「サウナイルタ」というイベントを開催します。日本語に訳すと「サウナの夕べ」。サウナに入って語り合い、サウナフードを食べつつ涼んで、交流をしようじゃないかというイベントです。これから月に一度程度のペースで開催を見込んでいるそうです。これに参加すれば大使館のサウナはもちろん、素敵なベランダで涼んだり、ラウンジでフィンランド家具に触れたり、本場のサウナフードをいただくことができるのです!
サウナイルタに参加するには…
サウナイルタの開催日はいつ? その日絶対予定空けておくから!
日にちを知っていても残念ながらサウナイルタには参加できません…完全招待制なのです…!ご自身のサウナ愛をどんどん表現し、フィンランド関連のイベントに参加するという、地道な活動が必要なのかもしれません。
私も風呂だけではなく、サウナがあるところは積極的にはいってレベルを上げていかねば…! サウナイルタ、参加してフィンランドのあの空気感を思い出したい! そしてサウナのレベルとともに英語のレベルも上げたい…!
みなさん、サウナイルタでお会いしましょう!
Furoducer, thanks a lot for the article post.Much thanks again. Fantastic.